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更新日:2011年12月14日

「赤坂今井墳墓」「琴引浜」が国指定史跡、天然記念物・名勝に

市内の「赤坂今井墳墓」が国指定史跡、また「琴引浜」が国指定天然記念物及び名勝として指定されました

   平成19年5月18日開催の文化審議会文化財分科会において答申された京丹後市内の「赤坂今井墳墓」(あかさかいまいふんぼ)と「琴引浜」(ことひきはま)が、7月26日に国指定史跡、国指定天然記念物及び名勝となりました。


赤坂今井墳墓(あかさかいまいふんぼ)が国指定史跡に

   赤坂今井墳墓は弥生時代後期としては国内最大級の墳墓であり、世界で2例目となる中国の顔料「漢青」(ハンブルー)が含まれたガラス管玉が出土するなど古代中国との交流をうかがわせる内容であることなどが評価されました。


赤坂今井墳墓の全景
赤坂今井墳墓の全景
赤坂今井墳墓出土頭飾り
赤坂今井墳墓出土頭飾り

史跡の名称:  赤坂今井墳墓
指定地の所在地:  京丹後市峰山町赤坂小字ケビほか
指定の面積:  5,288.51平方m
指定史跡の特徴、評価:

1.赤坂今井墳墓は、弥生時代後期末に築造された東西36m、南北39m、高さ3.5mの墳丘部に加え四方に5m~9mの平坦面を持つ国内有数の大型墳墓です。

遺構配置図

遺構配置図


2.平成12年度の第3次発掘調査により第4埋葬施設からガラス製頭飾りが出土しました。
  頭飾りは、ガラス製勾玉・ガラス製管玉・碧玉製管玉といった玉類が三連に連なるもので、内容はガラス勾玉22点、ガラス管玉57点、碧玉製管玉39点を数えます。


3.ガラス管玉の中には、古代中国で顔料「漢青」(ハンブルー)の主成分として使用されていたケイ酸銅バリウム(BaCuSi4O10)が含まれていました。

ガラス管玉と顕微鏡写真
ガラス管玉(上)と
顕微鏡写真(下)

4.第4埋葬施設は、墓壙長7m、幅4.2 mを測り、全長4.4 m、幅1.3mを測る舟底状木棺を使用しています。
  第1埋葬施設は、墓壙長14m、幅10.5mの規模です。
  墓壙上から円礫集積と破砕土器群が出土し、墓上祭祀の状況がわかります。
  第1埋葬施設の第1主体部は未発掘で、現状保存されています。

第1埋葬施設調査終了後
第1埋葬施設調査終了後
発掘作業風景

発掘作業風景

出土した土器
出土した土器

5.赤坂今井墳墓は、大陸との交流を伺わせる装身具が出土しており、墳丘規模、埋葬施設等から判断して、弥生時代後期末に築造された近畿北部を代表する「王墓」と評価することができます。


コラム  墳墓ってなあに?

  史跡などで「墳墓」という言葉を使う時には、特定の個人や家族のために「定型化した前方後円墳」が作られた「古墳時代」を除く時代に作られたお墓を全般に「墳墓」と呼んでいます。



琴引浜(ことひきはま)が天然記念物・名勝に

  琴引浜の指定は、鳴き砂の浜としては全国で初めての指定であり、京都府下で国指定名勝となる海浜としては、琴引浜が初めてです。(特別名勝「天橋立」は砂嘴で指定)
  また、京都府内の天然記念物指定は、「清滝川のゲンジボタル及びその生息地」以来、28年ぶりとなります。

  琴引浜は全長1.8kmに及ぶわが国最良・最大級の鳴き砂の浜です。
  人工物のない白砂青松の大変美しい海岸で、歩くと砂が振動することにより“キュッ、キュッ”と心地よい音で鳴きます。
  鳴き砂は、とてもデリケートで、タバコの灰などが混入するとたちまち鳴かなくなることから、京丹後市ではこの貴重な鳴き砂を保護するために、浜辺での喫煙・花火・キャンプ等を条例で禁止しています。
  将来にこの音色を残していくために、皆様のご理解・ご協力をお願いします。


琴引浜の国指定名勝となる区域
琴引浜の国指定名勝となる区域
鳴き砂で有名な美しい琴引浜
鳴き砂で有名な美しい琴引浜

天然記念物及び名勝の名称:  琴引浜

指定地の所在地:  京丹後市網野町掛津小字西山1番地ほか  公共海岸及び地先公有海面

指定の面積:  1,548,889.72平方m

指定天然記念物及び名勝の特徴、評価:

1.天然記念物としては、京丹後市網野町掛津(かけづ)地区と遊(あそび)地区にあり、延長約1800 mの海岸は鳴き砂の浜として日本でも最大級の規模です。
  鳴き砂とは、特異な発音特性を有する石英質の砂のことで、俗に鳴り砂、歌い砂、音楽砂、琴砂などと呼ばれています。
  この砂の上を歩いたり、棒などでつつくと、キュッ、キュッ、という美しい音を発するため、珍しい現象として古くから知られてきました。

琴引浜の鳴き砂の音
鳴き砂の音を聞いてみよう!
(プレーヤーの再生ボタンを押してください)

(注意)WindowsMediaPlayerが必要です

2.鳴き砂は、石英質の砂が存在し、波浪や風の作用等で砂粒の淘汰と表面洗浄が行われ土砂などの異物が混入されない海岸で形成されます。
  全国の鳴砂の浜と比較しても粒がよく揃った丸みのある形状が特徴となっています。
  また、琴引浜の砂の中には、高温石英が約50パーセント含まれています。
  この高温石英は別名「天使の涙」と呼ばれています。

.「天使の涙」と呼ばれる高温石英
    • 「天使の涙」と呼ばれる高温石英

3.琴引浜の海底を調査すると、浜に近い水深10m以浅の砂は円磨された石英砂からなり、波浪によりよく洗浄された状態であり、この砂が鳴砂の浜としての琴引浜を支えているものと考えられます。
  鳴き砂の形成には地先公有海面の水深約10mの区域において、波により砂が洗浄されることが必要であることがわかりました。
  この結果、地先海面の一定区域を含め指定しています。

澄みきった琴引浜の海水
澄みきった琴引浜の海水

4.背後には一万年以上前に形成された古砂丘が広い範囲で残り、わが国の海岸地形を代表するものであり、一定区域も指定区域となりました。

一万年以上前に形成された古砂丘
一万年以上前に形成された古砂丘

5.江戸時代の科学者である木内石亭(きうちせきてい)も「雲根志」(うんこんし)の中で、琴引浜の砂のことを記述しています。


6.琴引浜の波打ち際には、大きさが数mm以下の小さな貝殻である微小貝が打ち寄せており、琴引浜には数百種類の微小貝が生息しています。また、原始的な生物である有孔虫も生息しています。
  これらの生物は海が汚染すると死滅するもので、きれいな海にのみ生息する生物です。

  大きさが数mm以下の微小貝
大きさが数mm以下の微小貝
原始的な生物 有孔虫
原始的な生物  有孔虫

7.名勝としては、琴引浜は昔から白砂青松の景勝地として知られてきた砂浜であり、細川幽斎や細川ガラシャなどが和歌を残しており、江戸時代の丹後地方の地誌である「丹哥府志」(たんかふし)に記されています。



白砂青松の「琴引浜」
白砂青松の「琴引浜」
琴引浜に関する和歌

  根上がりの  松に五色の  糸かけ津

           琴引き遊ぶ  三津の浦浜    (細川幽斎)

  名に高き  太鼓の浜に  聞く秋の

           遠にも渡る  秋の夕さめ     (細川ガラシャ)


8.与謝野晶子、与謝野寛(鉄幹)も、昭和5年5月15日から6月3日までの19日間、山陰方面へ旅をし、その中で5月17日にこの地を訪れています。


琴引浜に関する短歌

  遠く来て我が行く今日の喜びも ともに音を立つ琴引の濱  (寛)

  おく丹後おくの網野の浦にして  入日をおくる旅人となる  (晶子)

  人踏めば不思議の砂の  鳴る音も寂しき数の北の海かな  (晶子)


9.そのほか、琴引浜は「日本の白砂青松百選」「残したい日本の音風景百選」「日本の渚百選」にも選定されています。


10.こうした鳴き砂の浜が、海域や背後の砂丘とともに、ほぼ手つかずの状態で維持されてきたことは、「琴引浜の鳴り砂を守る会」や海岸清掃を行っている掛津区など、この鳴き砂を守ってきた地元住民によるところが大きいと言えます。

海岸清掃のようす
海岸清掃のようす

11.平成16年4月1日に丹後6町が合併して誕生した京丹後市においても、旧網野町時代に制定された「美しいふるさとづくり条例」を同じ内容のまま継続しており、環境保全や改善に取り組むとともに、琴引浜を「特別保護区域」に指定し、砂浜での喫煙、花火、キャンプ等を禁止しています。
  鳴き砂文化館は、世界唯一の鳴き砂展示施設であるとともに、鳴き砂保護の拠点施設として、地元住民の長年の願いがかない財団法人日本ナショナルトラストにより建設されたものです。
  木造2階建ての建物の中には、各種の鳴き砂体験施設、全国・世界の鳴き砂の展示、琴引浜の微小貝・海浜植物・漂着物の展示等が行われており、多くの観光客が訪れ鳴き砂の不思議に魅了されています。

  琴引浜鳴き砂文化館
琴引浜鳴き砂文化館
  鳴き砂体験
鳴き砂体験

琴引浜が国の天然記念物及び名勝に指定されることにより、このかけがえの無いすばらしい京丹後市の財産を守り、後世に残していきたいと思います。

▼琴引浜の風景


白砂青松の琴引浜   白砂青松の琴引浜
白砂青松の琴引浜

美しい夕日でも知られる琴引浜   美しい夕日でも知られる琴引浜
美しい夕日でも知られる琴引浜

雪景色の琴引浜   雪景色の琴引浜
雪景色の琴引浜

お問い合せ先

部署名:教育委員会事務局文化財保護課 

電話:0772-69-0640

ファックス:0772-68-9061

Eメール:bunkazaihogo@city.kyotango.lg.jp

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